避難誘導システムと関連する法制度について

標識画像01標識画像02

この規格は、洪⽔災害(洪⽔及び内⽔氾濫)、⼟砂災害(⼟⽯流及び崖崩れ・地滑り)、⾼潮、⼤規模な⽕事などの災害の発⽣に備え、⼈々 が安全な場所へ避難する際に利⽤する災害種別避難誘導標識システムについて規定されています。(2016年3⽉22⽇制定)

2020 年東京オリンピック・パラリンピックを迎え、来⽇される外国⼈にも分かりやすい図記号の開発を含めた標識の整備の⼀環として、津 波避難誘導標識システム(JIS Z 9097)をベースに作成されました。 また、経済産業省は、海外にも広く普及させるため、国際標準化機構(ISO)に提案し、将来的には、国際的な避難誘導システムとして定 着させていくように作業を進めています。

災害種別避難誘導標識システムに⽤いる図記号等

  災害種別
津波・高潮 洪水・内水氾濫 土石流 崖崩れ・地滑り 大規模な火事
図記号 災害種別
一般

JIS Z8210-6.5.3

JIS Z8210-6.5.3

JIS Z8210-6.5.1

JIS Z8210-6.5.1

JIS Z8210-6.5.2

JIS Z8210-6.5.2

JIS Z8210-6.5.4

JIS Z8210-6.5.4

JIS Z8210-6.5.5

JIS Z8210-6.5.5

注意

JIS Z8210-6.3.9

JIS Z8210-6.3.9

JIS Z8210-6.3.10

JIS Z8210-6.3.10

JIS Z8210-6.3.11

JIS Z8210-6.3.11

避難場所

JIS Z8210-6.1.6

JIS Z8210-6.1.6

JIS Z8210-6.1.7

JIS Z8210-6.1.7

JIS Z8210-6.1.4

JIS Z8210-6.1.4

避難所

JIS Z8210-6.1.5

JIS Z8210-6.1.5

※津波の避難誘導システムはJIS Z 9097を参照する。

災害種別一般図記号

JIS Z8210-6.5.3
高潮・津波

JIS Z8210-6.5.1
洪水・内水氾濫

JIS Z8210-6.5.2
土石流

JIS Z8210-6.5.4
崖崩れ・地滑り

JIS Z8210-6.5.5
大規模な火災

JIS Z9098「災害種別避難誘導システム」の暗闇対策(付属書Hより一部抜粋)

1.災害種別避難誘導標識に使用する蓄光材の下限輝度(付属書H.2.1.2.2)

蓄光式津波避難誘導標識のりん光輝度試験は、キセノンランプを用い、紫外線強度(測定波長域360~400nm)400μWで60分間照射し、光を遮断して720分後の数値を測定します。
(津波標識の経過時間毎の見え方の状態及びりん光輝度の推移を下表に示す。)

区分 励起停止後、720分後のりん光輝度
Ⅰ類 3mcd/㎡以上10 mcd/㎡未満

励起停止後 1 時間経過後 りん光輝度: 54mcd/㎡

励起停止後 1 時間経過後
りん光輝度: 54mcd/㎡

励起停止後 4 時間経過後 りん光輝度: 13mcd/㎡

励起停止後 4 時間経過後
りん光輝度: 13mcd/㎡

励起停止後 8 時間経過後 りん光輝度: 5mcd/㎡

励起停止後 8 時間経過後
りん光輝度: 5mcd/㎡

励起停止後 12 時間経過後 りん光輝度: 3mcd/㎡

励起停止後 12 時間経過後
りん光輝度: 3mcd/㎡

区分 励起停止後、720分後のりん光輝度
Ⅱ類 10 mcd/㎡以上

励起停止後 1 時間経過後 りん光輝度: 129mcd/㎡

励起停止後 1 時間経過後
りん光輝度: 129mcd/㎡

励起停止後 1 時間経過後 りん光輝度: 26mcd/㎡

励起停止後 4 時間経過後
りん光輝度: 26mcd/㎡

励起停止後 1 時間経過後 りん光輝度: 11mcd/㎡

励起停止後 8 時間経過後
りん光輝度: 11mcd/㎡

励起停止後 1 時間経過後 りん光輝度: 10mcd/㎡

励起停止後 12 時間経過後
りん光輝度: 10mcd/㎡

2.その他の性能(付属書H.2.1.2.3)

耐候性、耐水性、その他の性能については、JIS Z9096の性能基準を参考に設置場所に適した性能を選択することが望ましい。

JIS Z9098「災害種別避難誘導システム」の留意事項(付属書Iより一部抜粋)

1.耐久性及び適合性(付属書I.3)

設置する標識は、予想される環境条件に適合することが望ましい。

標識画像03 標識画像04

この規格は、津波が発生したときに備え、人々が安全な場所へ避難する際に利用する津波避難誘導標識システムについて規定されています。(2014年9月22日制定)

災害種別⼀般図記号

津波注意
津波注意

津波避難場所
津波避難場所

津波避難ビル
土石流

津波避難誘導標識に関しては、JIS Z8210において津波図記号が規定されていますが、その使⽤⽅法が詳細に規定されておらず、本規格 は、津波が発⽣したときの円滑な避難・誘導のための共通基準と⾔えます。

JIS Z9097「津波避難誘導システム」の暗闇対策(付属書Dより一部抜粋)

1.津波避難誘導標識に使用する蓄光材の下限輝度(付属書D.2.1.2.2)

暗闇対策について、これまでは屋外用のりん光輝度の基準はありませんでしたが、主に屋外で使用することを前提として、屋外で使用する際の「蓄光」の性能及び試験方法が世界で初めて示されました。蓄光式津波避難誘導標識のりん光輝度試験は、キセノンランプを用い、紫外線強度(測定波長域360~400nm)400μWで60分間照射し、光を遮断して720分後の数値を測定します。

区分 励起停止後、720分後のりん光輝度
Ⅰ類 3mcd/㎡以上10 mcd/㎡未満
Ⅱ類 10 mcd/㎡以上

2.その他の性能(付属書H.2.1.2.3)

耐候性、耐水性、その他の性能については、JIS Z9096の性能基準を参考に設置場所に適した性能を選択することが望ましい。

JIS Z9097「津波避難誘導システム」の留意事項(付属書Eより一部抜粋)

1.耐久性及び適合性(付属書E.3)

設置する標識は、予想される環境条件に適合することが望ましい。

この規格は、建物から避難を容易にするために屋内及び建物につながる屋外の床面、階段(踊り場、蹴込み、踏み面など)、階段の壁面などに設置する蓄光式の安全標識及び誘導ラインについて規定されています。(2012年12月20日制定)

また、JIS Z9107及びJIS Z9095-2011、JIS Z9097-2014の補完的な役割として、性能及び試験に関する詳細な内容が示されました。

1.屋外用の蓄光式安全標識及び誘導ラインの種類 (4)

JIS Z9096では、屋外用の蓄光式安全標識及び誘導ラインの設置場所は下記のとおり規定されています。(一部抜粋)

  • 通路及び廊下の床面、並びに階段の踊り場、蹴込み及び踏み面
  • 壁面から200mm以内の床面
  • 階段の壁面

2.蓄光式の安全標識及び誘導ラインに使用する蓄光材の下限輝度(5.9)

蓄光式津波避難誘導標識のりん光輝度試験は、常用光源蛍光ランプD65を用い、 試験見本の表面に平均200lxの照明を20分間照射し、光を遮断して60分後の数値を測定します。
下図に示す4つの分類のいずれか一つに該当しなければなりません。

常用光源蛍光ランプ D65を用いたりん光材料の最低りん光輝度

副分類 最低りん光輝度(単位mcd/㎡)
2分後 10分後 20分後 30分後 60分後
JA 210 50 24 15 7
JB 440 105 50 31 15
JC 880 210 100 62 30
JD 1760 420 200 124 60

励起光条件:200 lx で照射して励起時間 20 分
注記:設置場所における蓄光式の安全標識及び誘導ラインのりん光輝度は、 JIS Z9095の6.3.2及び6.4で規定されています。

3.性能及び試験方法(解説)

当該規格は、関連規格であるJIS Z9107(安全標識-性能の分類、性能基準及び試験方法)を基本とし、蓄光製品を床面に設置する場合を想定して試験方法が制定された経緯があります。

JIS Z9096及びJIS Z9107の試験項目比較一覧表

試験項目 JIS Z9096 JIS Z9107
20分後 試験後にりん光輝度
試験を実施
りん光材料の色の測定
耐候性試験
耐衝撃性試験
耐水性試験
耐燃性試験
耐湿性試験
耐拭取り性試験
表面印刷の付着性試験 a)
りん光輝度試験
粘着力試験 b)
耐摩耗性試験
耐薬品性試験
曲げ強度試験
滑り抵抗試験
凍結融解性試験
耐汚染性試験

注記 ○は、試験をしなくてはならない。-は、試験をしなくてもよい。
注a) デザイン要素の部分が、象嵌加工されたもの、サンドウィッチ加工されたもの、 裏面に印刷表示されたものなど明らかに表面に印刷、表示をしていないものについては、 この試験を省略することができる。
注b) 粘着剤を用いた場合に適用。